さわる、かおる、ねころぶ
障がいのある人たちの手仕事と、たわむれる。
開催日時:9月14日(土)~ 10月1日(火) 11:00〜19:00
開催場所:ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
さわる、かおる、ねころぶ
障がいのある人たちの手仕事と、たわむれる。
開催日時:9月14日(土)~ 10月1日(火) 11:00〜19:00
開催場所:ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
旅をしてみませんか。
都心にいながら、コンクリートの建物の中にいながら。自然へと繋がる道へ。
頭を空っぽにして、ゆっくり深呼吸をして、会場の扉を開け、足を踏み入れてみてください。
懐かしい記憶を呼び覚ますような匂いがしたり、ちょっと不思議な感触と出会ったり、見たこともないような大蛇にお出迎えされたり。
「旅の始まり」から「旅の終わり」まで、8つのお部屋があります。
「これ、なに?」と、各部屋の気になるものを、触ったり、香ったり、眺めてみてください。
そして、「どんな人がつくっているの?」と、つくる人にも思いを馳せてみていただけますか。
背中を丸め黙々と手を動かし続ける人、歌いながらリズミカルに作業を繰り返す人、時々大声で叫んでしまう人、天気によって具合が悪くなってしまう人。
人里離れた地方の山間部であったり、子どもたちの声がする住宅街の一角だったり、古い機械が並ぶ工場だったり、静かな作業室の片隅だったり。
それぞれのクラフトパーソンが、どこかで人知れず、マイペースで、今日も手を動かし続けています。
会場を出る頃、五感をゆるやかにひらいたあなたの中に、小さな旅の感触が、心地よいひだまりのように、残っていますように。
ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」✕ ウェルフェアトリップのコラボ企画、体験型鑑賞展を開催します。
書籍『ウェルフェアトリップ~福祉の場をめぐる小さな旅』(アノニマ・スタジオ)の著者・羽塚順子は、300カ所以上の福祉現場を訪ね、手仕事や職人技を発掘してきました。
その才能と可能性を、ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」の8つの部屋を旅するように、インスタレーションとして展示します。
作品に触ったり、香ったり、寝転んだりと、五感をひらきながら、全国の障害者施設のクラフトパーソンとの出会いをお楽しみください。
会場にて作品販売も予定しています。
「いぐさ」の素材を感じてみよう
日本人が慣れ親しんでいる畳。原料の「いぐさ」を見たことはありますか? 国産いぐさの約9割は熊本県で生産されていますが、いぐさ農家の後継者不足は深刻。次世代にいぐさを残したいと、作品づくりでメッセージを発信する熊本のアーティスト・ユニットitiitiさんによる「いぐさのインスタ レーション」を展示します。いぐさは収穫後に淡路島の土で「泥染め加工」をして乾燥させるため、乾燥した土が付着していて、触ると手が白くなりますが、それが独特の香りを醸し出しています。素材のままの姿を見て、香って、触ってみてください。いぐさを細かく加工したアクセサリーは、草木花の部屋に展示します。
「もくめん浴」で森にいるミノムシになろう
「もくめん」とは、贈り物の箱の中にクッション用に敷く「緩衝材」のこと。もくめんは、すぎ、ひのき、あかまつ、くすのき、それぞれの間伐材を、高知県のクラフトパーソンが細かく機械で削って製造しています。このもくめんにモシャモシャと埋もれ、たわむれ、「森にいるミノムシ」になってみてください。希少な国産もくめんを、贅沢にたっぷり敷き詰めた「もくめん浴」を体験いただけます(もくめん浴は、靴を脱いで入っていただきます。出入りにはサポートをお願いいたします)。「もくめん浴」をするかたわらでは、「いのちの森づくり」の植樹や育樹に取り組む福祉事業所で、どんぐりを拾って発芽させて育てた苗木と、細かいモノクロ線画のアートな植木鉢、森の生き物たちを表現した張子のオブジェたち、森から生まれた薪などが並んでいます。
手仕事品を味わい、香りを感じてみよう
いぐさやもくめんで自然のままの素材を感じていただいた後は、自然素材を使ったクラフトパーソンたちの繊細な手仕事をご覧ください。いぐさを細かいビーズ状に加工して編んだアクセサリー、繊細なステッチで森や山を表現した刺繍アクセサリー、コウゾの木を原料につくる和紙カードに1枚ずつ手回しの活版で手摺りを施した千年暦。また畑で育てたラベンダー、摘果された青みかんなどから、クラフトパーソンが一滴ずつ天然抽出した香りのミスト、地元素材で手づくりする石鹸の香りもお楽しみください。鳥の巣箱ものぞいてみてください。
和紙とたわむれてみよう
和紙の原料「こうぞ」という木を育て、木の皮を剥ぎ、煮て叩いて溶かして漉いて。桑の木(マルベリー)と鳥をモチーフにしたデザインの透かし和紙の型を使って、クラフトパーソンが練習を重ね、頑張ってたくさんの和紙を漉いてくれました。それをつなげ、天井から幻想的に揺らめく大きな作品に仕上げます。触れてみたり、床に敷いた和紙にねころんでみてください(ねころぶ体験では、靴を脱いでの譲り合い、配慮の必要な方にはサポートなどをお願いいたします)。
大蛇をかぶってみよう
全長15m以上、石見神楽の迫力ある大蛇2体がお出迎えします。御頭をかぶって大蛇に変身した気分を味わってみてください。大蛇の胴体の和紙づくり、竹筒づくりから絵付けの仕上げ、お頭の型づくりから仕上げまで、すべてをクラフトパーソンが手仕事で仕上げています。日本全国10月は「神無月」ですが、日本中の神様が集まる島根県だけは「神在月」。神様をお迎えする神楽のお囃子が、あちこちの神社で夜中まで鳴り響き、地元の子どもたちの大きな楽しみとなっています。
千鳥うちわであおいでみよう
神事の部屋の大蛇とともに石見神楽の演舞で纏われる豪華絢爛(ごうかけんらん)特注の錦織衣装を展示します(この衣装は触れていただくことができません)。重さ20kg近くあるきらびやかな衣装の製作は、刺繍の細部まで、工程分解した作業で40名以上のクラフトパーソンがすべてを手仕事で仕上げています。また、天井から吊るされているのは、真竹を極細状態の竹骨に加工して、約100本の竹骨を和紙に規則正しく貼り付けていく「江戸仕立て都うちわ千鳥型(千鳥うちわ)」。柿渋で染めた千鳥うちわを、手にとって眺めたり、あおいだりしてみてください。月が細り、地球の引力が弱くなる新月に竹を伐採すると、竹の保水量が少なく、加工しやすく長持ちすると言われています。材料の竹伐採に協力してもらう福祉事業所でも新月伐採をしています。
※9/15の「ミニ千鳥うちわワークショップ」では、竹骨を貼りのクラフトパーソンが技を披露しながら参加予定です。
お浄巾(じょうきん)をなでてみよう
針に糸を通し、ちくちくと無心で縫うことによって、癒されるという人たちがいます。名付けて「ちくちくセラピー」。福祉事業所の人たちとのものづくりに、長年取り組まれてきた群言堂創業者の松場登美さんが、この布の部屋の8つの福祉事業所の方たちに、ちくちくと「お浄巾(じょうきん)」の指導をしながら、多様な人たちの布仕事が混ざり合う部屋を企画展示くださいます。1枚ずつ手に取って、味わいある針目を撫でてみてください。もし汚れてしまっても、その場で洗って干すことができます。この「お浄巾」の輪が広がり、癒される人たちが増えますように。
ござに座り、映像をみてみよう
最後の部屋は、いぐさのござを敷いた椅子に座り、映像をご覧になってください。五感で感じていただいた自然素材や地域素材を使ったクラフトパーソンの手仕事を振り返ってみてください。五感の中の「味覚」も楽しんでみてください。
ワークショップの詳細は、こちらをご確認ください。
ワークショップ参加には、参加料の他、別途入場料がかかります。
参加をご希望される方は、こちらからワークショップ参加券+入場券セットをご購入ください。
編集者 / 一般社団法人MotherNess Publishing 代表理事
公立中学校特別支援学級で障害児を指導後、(株)リクルート営業職などを経てライターとして3000人以上の著名人らを取材執筆。2009年より、思いやりの母性社会(MOTHRENESS)を次世代に残すことをライフワークに、福祉施設を300カ所以上訪問、児童養護施設出身児童の進学支援、障がいのある方々の手仕事プロジェクトを多数実践。ここ数年は、福祉事業所と地域のものづくりや老舗企業・一次産業とアーティストをつなぎ、多様な人が「生きる力をつける」プラットフォームづくりに取り組んでいる。江戸仕立て都うちわ千鳥型(千鳥うちわ)の職人技を福祉で継承する取り組みなどで、グッドデザイン賞3回受賞。三井ゴールデン匠賞奨励賞受賞。著書『Welfare Trip〜福祉の場をめぐる小さな旅』(アノニマ・スタジオ)『親を頼らないで生きるヒント〜家族のことで悩んでいるあなたへ』(岩波ジュニア新書)など。
美術家 / 一般社団法人MotherNess Publishing 理事
女子美術大学短期大学造形学科デザイン専攻卒業。埼玉県小川町で8年間の修行を経て、2006年、飯山和紙のしごと大賞コンペティション(大賞)後、国内外での美術展出品、個展を多数開催。陶芸作家、鉄作家との3人で「アトリエ線路脇」を運営。繊細な模様を自ら型におこしてレース状の透かし和紙に仕上げるデザインを特徴とし、最近では2022年「紙宮(かみぐう)」(飯山市美術館)で館内を和紙で迷路のように表現、2024年色のいろいろ「空径」(高崎市美術館)では80mに及ぶ和紙作品を展示。
羽塚と群馬県一越会で知的障がいのある職人へ和紙指導したことをきっかけに、2014年より福祉事業所への指導やデザイン提供を開始。精神疾患の兄がいた影響から、継続した活動に向け本展でいわみ福祉会への指導を含め、アートディレクターとして参加。
アーティスト / NPO法人さんわーくかぐや理事長
少年時代は学校に行かず家族のアトリエで木彫をして過ごす。そのまま木彫家へ弟子入り、大きな寺院に納める仏像制作に携わり、20代で若手新進木彫家として銀座のギャラリーで人気を博すようになるが、命を削るようにつくった作品が、見知らぬコレクターに渡り消えていく繰り返しに消耗し「芸術をお金にしても幸せではない」と感じる。
統合失調症だったの妹の居場所づくりのため、自宅アトリエの敷地で、母の慶子さんと2008年、日中一次支援事業所NPO法人さんわーくかぐやを設立。言語を持たず自然崇拝する原住民文化を参考に、「福祉」や「障害者」の言葉を使わず、農とアートを中心に独自の活動を続ける。
2012年のアースデイマーケットで羽塚と出会い、「ウェルフェアトリップ」連載第1回目として、さんわーくかぐやが登場。さんわーくかぐやの日常を3年半追ったドキュメンタリー映画「かぐやびより」(監督:津村和比古)では、「もうひとつの家族のように」支え合い、時が流れる様子が描かれている。
kimi murakami / noriko tanaka
建築を学んだ2人が「分解と集積」をヒントに、身近にある素材を新たな 形に変えたプロダクトを提案。2019年からは、地元熊本の産業であり、日本の建築モジュールを築いた畳の原料“いぐさ”を使い「身につける」というファッションの領域で い草の可能性を追求している。
2019年の展示会で、いぐさアクセサリーに一目惚れした羽塚が、偶然、それを福祉事業所で作っていると知り、熊本に取材撮影に行ったことをを機に今回の展示に参加。
石見銀山 群言堂 創業者
暮らす宿 他郷阿部家 竃婆
三重県生まれ。夫である松場大吉の故郷、島根県大田市大森町に帰郷後、98年(株)石見銀山生活文化研究所を設立。「石見銀山 群言堂」で天然繊維を使った心地よい衣料や雑貨を全国に発信。20年をかけて古民家を改修した「暮らす宿・他郷阿部家」は、多くのファンを惹きつけている。2021年、ふるさとづくり大賞・内閣総理大臣賞受賞。著書に『これが登美さんの“福吹く”暮らし』(婦人之友社)、『過疎再生~奇跡を起こすまちづくり』『なかよし別居のすすめ』(ともに小学館)など。福祉事業所とともに、群言堂ショッパー(邑智園)、ちくちくブローチ(玉川福祉作業所)など群言堂商品として複数の取り組みを続けており、羽塚から『ウェルフェアトリップ』の刊行対談依頼をきっかけに、2024年の現役引退後、今回の展示に向け「お浄巾プロジェクト」を8つの福祉事業所と始めている。
9月14日土 | 9月15日日 | 9月16日月・祝 | 9月17日火 | 9月18日水 | 9月19日木 | 9月20日金 |
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9月14日~20日のチケット
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9月21日土 | 9月22日日 | 9月23日月・祝 | 9月24日火 | 9月25日水 | 9月26日木 | 9月27日金 |
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9月21日~27日のチケット
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9月28日土 | 9月29日日 | 9月30日月 | 10月1日火 |
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9月28日~10月1日のチケット
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9月15日(日)千鳥うちわづくり体験会各回5名・約60分 | |
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13:00~ | 15:00~ |
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9月22日(日)苔玉づくり体験会各回6名・約60分 | |
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13:00~ | 15:00~ |
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9月29日(日)もくめんサシェづくり体験会各回6名・約30分 | ||
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13:00~ | 14:00~ | 15:00~ |
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